敵討ちの女性

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さっきまでポボロフと闘っていた男が女性を襲っている姿だった。 酷いことに手足の骨が折れている。 普通では考えられない場所で曲がっているのだ。 「抵抗しなかったら怪我しなくてすむんだよ」 男は悪びれることもなく女性の髪の毛を引っ張りながらいい放つ。 「酷い.......」 あまりの酷さに俺は声がでなかった。 レイナの声でこちらに気が付いた男が俺達に近寄ってくる。 レイナは俺の後ろへ隠れてしまった。 「へぇ君可愛いね、どう??俺とやらない?」 何言ってんだコイツ?? 「やるわけないでしょ」 レイナは震えながら言い返した。 「強がっちゃって! いいから来いよ」 レイナを掴もうと伸ばした手を俺が掴み手を止めた。 「男に興味はねぇ、消えろ」 「そういう訳にはいかない」 俺はキレていた。 こんな男にレイナは渡さない。 「ほぉ俺とやるのか?? 死ぬだけだぞ??」 不気味に笑う男。 「次の試合で勝つのは俺だ」 流れって怖い。 ついつい言ってしまった。 「ハハッハッハ 俺に勝つのか? それは頑張れよ、おまえが負けたらその女は俺のオモチャだ」 オモチャ....... 「ロイやめて、私はいいから闘わないで」 レイナが涙を流しながら俺の腕を強く掴んだ。 その力は強くて真剣さがわかる。 その顔を見て俺は剣を抜いた 「俺は逃げない」 剣の先を男に向けて宣言した。 「いいだろう 受けてやる」 そう言って笑いながら男はこの場から去って行った。
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