敵討ちの女性

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リングに向かうと男は既に待っていた。 「よぉぉ! 本当に逃げなかったんだな」 自身満々だ。 「当たり前だ」 俺は顔を見るとまたイライラしはじめた。 「ルータ これがおまえの人生を終わらせる男の名前だ あの世で自慢しな」 「俺はロイ おまえのその天狗の鼻をへし折る男の名前だ」 俺の挑発に相手の顔つきが変わった。 さっきがやばい....... 「いくぞ」 ルータが俺に向かって歩き始めた。 さっきの試合を見て知っている。 コイツは俺よりもはやいって。 俺は、相手が攻撃をしてきそうなタイミングで後ろへ跳んだ。 タイミングはバッチリだった。 さっきまで俺が立っていたところにはルータが立っていた。 そして、次の瞬間。 「グハッ」 ルータの残像が見えたと同時にお腹に蹴りをくらい、俺の体は"く"の字に曲がる。 その時背中に強打をくらい地面に叩きつけられた。 全ては一瞬だった。 こいつ....... 俺はゆっくりと立ち上がって集中する。 だがその隙にルータは俺に近寄ってきていた。 俺が気が付いた時にはもう遅かった。 「弱いんだよ」 ルータは、俺の首を握りながら地面に俺を叩きつけた。
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