敵討ちの女性

45/53
前へ
/282ページ
次へ
勝てない。 レベルが違いすぎる。 「そんな弱さでよく俺の前にきたな」 くっそ。 俺は立ち上がって相手を睨んだ。 いくぞ! そう自分に言い聞かし脚に力を入れ地面を蹴った。 自分の出せるスピードの限界の速さ。 一瞬で相手に近寄り相手を蹴りつける。 「くらえぇぇぇ」 そう言って振り抜いた脚は風を切るだけで終わった。 「おいおい! 今のが本気のスピードかよ」 相手は軽くかわしてリングの逆の位置にいた。 「スピードってのはよぉ こう使うんだ」 その言葉と共にルータの姿が消えた。 軽く残像は見えるが俺の目では終えない速さだった。 そして、 右、左、前、後、あらゆるところから攻撃が飛んでくるが俺は避けることもできず、全て身体受けた。 口から見たこともない量の血がでてくる。 あばら骨が持ってかれた。 左肩も折れてる。 まだこれくらいですむならましか? ルータは余裕そうにステップをしながら俺を見ている。 「さぁぁて! 俺を楽しませてくれよ」 ニタリと笑うルータに俺は恐怖しか感じない。 目では終えないスピード。 攻撃力。 俺を遥かに越えていた。 ルータが殴りかかってきても俺はもう避ける余力もなかった。 」
/282ページ

最初のコメントを投稿しよう!

6人が本棚に入れています
本棚に追加