世界をみる日

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「でも、預かってもお金払わないといけないんでしょ?」 レイナは鋭いなぁっと俺は思った。 多分昔の王女であった時、街の人達が好きだったと言っていたから、人を助けることには敏感になのだろう。 そういう人を掘っておけないんだ。 「私の夫はこの辺りでは有名な資産家でした その夫の遺産があるので何とか今日まではやってきましたが.......」 「まさか.......皆にお金をわたしてるのか??」 俺は、まさか と思って聞いてみた。 「夫の遺言です 街は人が居なければ街ぢゃないと 助け合わなければ人は人ではないと」 なんていい言葉なんだ。 「素晴らしい旦那様だったのですね」 レイナは涙を流しながら笑顔でおばちゃんを見る。 街皆を護か....... 自分のことだけを考えていれば、もっと楽に生きていけたのに。 おばちゃんが席を立ち上がって奥へと行ってしまった。 「凄いよね?」 「うん」 「街の皆を護るなんて簡単ぢゃないよね」 「うん」 「それを実行しているおばちゃんは本当に凄い」 「そだな、俺にはできないよなぁ」 自分の金額を払わなければ殺される。 そんな恐怖があるのに他人のことを考えられるか?? 「どうして妹は助けなかったのかな?」 確かに....... 他人の命を助けるのに妹を見捨てる訳がない。
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