この気持ちはきっと…

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俺はその場に縮こまる。ダンゴムシにでもなったかのように俺はそこでジッとしていた。 どれくらいそんな風にしていたんだろう。丸まった変な奴がいるエントランスは幸い今のところ誰も通らない。 なんだかとても悲しい気持ちになってきて、泣き虫スイッチが押されるのも時間の問題。 そんな状態の中、エントランスのドアが開く音と共に頭上から声がした。 「…何してんだよ」 「ダンゴムシ」 「…は?」 俺はようやくひょっこりと顔を上げる。すると思っていた通りの呆れ顔のアイツがいた。 なんか、久々だ。 「四条…おせぇよバカ」 「勘違いすんな。もう帰れ」 「…やだ」 やだ、ヤダよ。 「迷惑だ」 「ヤダ、腹減って動けない」 「…ガキみたいなこと言ってんじゃねぇ」 「…家、入れてよ」 俺がどんな思いでここに来たと思ってるんだ。
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