１．夜明けのデート

「中学や高校のころの辛いことや恥ずかしいことってのはな、大人になったら大抵、いい思い出か笑い話になるんだよ。」「･･････。」「俺ら教員がな、お前らのいい思い出に干渉しちゃいけねんだ。」　先生はまっすぐ前だけを見て、静かに話を続ける。未だかつてこんなに穏やかに、真面目に話す先生は見たことが無かった。　先生は次の言葉を紡ぐのに少し考え込んでいるようだった。「先生･･･？」

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