第1章

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土曜日。 梅雨明け宣言は、まだ。 朝から雨が降っていた。 起きてまずしたことはエアコンの電源を入れること。 じめじめした湿気が汗ばんだパジャマに気持ちが悪い。 雨音が街の音を掻き消して単調に続いていた。 時計を見る。 9時。 約束の時間まで2時間。 歩いていこうか、合羽を着て自転車で行こうか悩む。 最近、傘差し自転車の取締りが激しいから。 結局、歩いていくことにして急いで着替えたところで、LINEで詩乃からメッセージが。 『シュンイチが迎えにいくそうです。 雨の中、大変だから。 そのまま待っていてください』 なんか意味も無くドキドキした。 車で迎えに来てもらうのって、なんか新鮮だ。
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