<U11>

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先ほどの アンパンを差し出され、 また、お汁粉缶を 目の前に置かれて 和代は一瞬 目が点になった。 「おしるこ」 「うまいんだから 飲んでみろ」 「コーヒーがいい」 「文句言わずに飲め」 睨まれて 渋々飲み始めた和代に 川島は言った。 「何をそんなに 落ち込んでいるんだ?」 「 … 」 「言わなきゃ わからないだろ」 「自分の 馬鹿さ加減に気が付いて」 「判るように言え。 あ、俺より富樫って おっさんの方が 気に入っていて、 そいつに騙されたから ショックだ、 なんてのはナシだぞ」 その言葉に 和代は苦笑いで 首を振った。
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