<U11>

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富樫の事は 好きとかの感情はなく、 むしろ、 技術者としての腕に 憧れを抱いていたに 過ぎない。 和代はこれまでにも こうして他人に利用されて それを我慢して来た事、 承知していても、 その事でこちらに罪を なすりつけて来るやり方に 気が滅入るのだと、 いつもの調子で ぽそぽそと話した。 仕事ならば まだそう思い込んで やることが出来たが、 自分の与り知らぬ所から 害を被る事には、 少なからず怒りすら覚えた。
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