<U11>

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唖然とする川島に 和代は言った。 「これは父が刺した痕。 赤ん坊の頃だそうで、 そのせいもあって 祖母が隠すように 育ててくれました。 死にたくなると 私もやるのですが 意気地なしなので、 痛いで終わっています。 こんなバカな ヤツなんです、私は。 貴方に思って頂けるのは 嬉しかった、 けれど、 貴方が言ってくれた トリプルSは仕事だけで、 肝心の中身は Dランク以下なんです」 「…いいから ボタン止めろよ」 白い柔らかな肌と わずかに覗く紺色の下着に 目が行きながら、 憮然と川島は答えた。 「ここが会社じゃなければ 押し倒すところだ」 それに和代は ちょっと笑んで見せた。
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