<U11>

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「みんな、 裏切るんだと思ったから 貴方もそうかと考えて。 でも出来なくて」 「初めて名前を 呼んでおきながら それかよ! 色気ないなぁ、 まったく。 そんなの 機械が壊れるくらい とって置け」 それに和代は 笑みながら頷いた。 体の傷も 心の傷も消えない。 でも今は彼の言葉を すんなりと 受け入れることが出来た。 「陽さん」 「ん?」 「ありがとう」 見つめて来る和代の頬に 涙が一粒こぼれた。 それを笑顔で見返して 川島は頷いた。 「メールは消すなよ。 俺のもお前のも。 やっと 入力したんだからな」
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