<U12>

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「もうここでの やるべきことは 終わった気がするから、 今度は やりたいことを するんだ。 今まで本当に ありがとうございました。 洋子さんも元気でね」 市橋たちがいなくなって 五年を待たずして、 和代たちがいた工場は 海外移転が決まった。 健康診断で血中鉛濃度が 規定を超えてしまい、 医師から警告を 受けた和代も、 この頃には製造課を離れて 別の部署に勤務していた。 どんなに換気に注意して 各々に排気装置を 与えられていたとしても、 個人の体質だけは 変えようがない為だった。
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