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「夫は、いない、
じゃなくて、
今は、いない、って
事だったんだね朱里さん。
よかったね、再会できて。
あ、それじゃ、イダさんも
ハセクラさんも僕も
失恋って事か。あちゃ～」
朱里に思いを寄せていた
他の二人の
残念そうな顔が
浮かんだものの、
どこか嬉しそうな顔で
夫婦を見守るヨシキの目に、
和代の左肩から
白い光が浮いて
二人の周りを
揺れ動くのが見えた。
それは、
夫の服を力いっぱい
にぎりしめる
和代の手に重なって
優しくなでるように
動くと静かに消えて行った。
完
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