58人が本棚に入れています
本棚に追加
和代よりも
三つ年上の洋子は
こんな工場勤務でも
化粧ばっちりで、
逆に化粧っ気のない
和代とは異なって、
上司の受けもいい。
だるそうにやって来た
和代をきつく抱きしめた。
「和代、いつもの顔だね。
笑顔忘れてるよ」
それを受けて和代は
心の中で答えた。
“笑顔、ただいま故障中”
もっと表情を出しなさい、が
洋子の言い分なのだが、
それを面倒と感じる和代は
苦笑いで頷いて見せた。
洋子は愛想のない自分に
話しかけてくれる
貴重な存在でもあったし、
何かと気にかけてくれる
彼女の事が、嫌いではない。
最初のコメントを投稿しよう!