第一章 戦士達の休息

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1 「咲姉は何でいつも起きたら俺のベットにいるんだよ!!」 今日も新東京中央病院の朝は影宮優斗の絶叫から始まった。 新東京での戦いの後、優斗達は仲良く揃って緊急入院。 特に状態の酷かった優斗と明日花は未だ絶対安静だと言われているが、優斗に安静という概念はない。 「朝からうるさいぞ。私はまだ眠い」 「そ、そうか。ごめん……って違うよ!!ここは俺のベット!!ちなみに俺は全身の筋肉断裂に深刻な魔力欠乏症(マインドダウン)による絶賛後遺症中なんですけど!?」 「奇遇だな。私も今深刻な寝不足で辛い」 「奇遇だなの意味が分かんねぇ!!ていうか早く退院しろよ!!」 「だが断る」 「看護師さーん!!この人もう退院できます!!あとその使い方も間違ってるからな!!」 何事かと駆けつけてきた看護師はまたこいつらかと心底鬱陶しそうに、『深刻なシスコンとブラコン。治る見込みなし』とカルテに書き込み通常業務に戻っていく。 つい少し前まで新東京を救った英雄として株を上げていた優斗だが只今大暴落中である。 とはいえ元々名声に興味のない優斗にとってはどうでもいいことだ。
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