19人が本棚に入れています
本棚に追加
/114ページ
6
―――5月2日(土)
来週の9日が星桜の18歳の誕生日だ。
中学を卒業してから2年とちょっと、星桜はのんびりと過ごしていた。特にやりたいこともない。
高校はママに負担がかかるからと行かなかった。だからといってバイトもしていない。
「そうだ星桜。明日からの4連休、フラワーロードでお祭りあるから行かない?」
お祭り……別に屋台が出るわけじゃない。ママは昔から人が集まる=お祭りだと思っている。
断る理由が無いため星桜は行く、と返事をしパジャマから私服に着替えた。
パパが亡くなってからもう10年以上も経つ。長いようで短い。星桜もママと2人の生活に慣れた。
パパがいなくなってから星桜は最初、ママと口を聞いてくれなかった。
ママに怒っているとかではなく、ただ喋るということをやめていた。学校も何日か休んだ。
そして1周間くらい経った時、星桜がママに聞いた。パパが何で死んだのか。
久しぶりの会話がそれでママは驚いたが、正直に答えた。
そして星桜はそっと、ママに抱きついた。
最初のコメントを投稿しよう!