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「あの時は夢や希望を失っていてもおかしくない時だったの。だけど前向きだった。星桜がいたから。そこに星桜の笑顔があったから。自分の人生を星桜のためにって」
自分の余命を聞いてあそこまで明るくなれないよ、と先生も言っていた。
「私にメッセージって……何?……パパは私になんて?」
「ちゃんと思い浮かべてよ?フラワーロードで綺麗に咲いていたお花のこと」
赤いポピー・・・パパが亡くなったら絶対星桜は泣くって。だからそれは『慰め』。それと同時に星桜には『感謝』していた。
カキツバタ・・・『幸せはかならず来る』。星桜の幸せはパパの幸せ。パパの幸せを星桜に、それは『贈り物』
ルピナス・・・星桜がいると明るくなる、元気になる。星桜のおかげでパパは『いつも幸せ』だった。パパにとって『あなたは私の安らぎ』。
アヤメ・・・これはパパから星桜への『メッセージ』。
「それを……あの時に……話してくれたら……私……私は……」
星桜の泣き虫。パパが見ていたらそう言ったかもしれない。
「純粋にお祭りを楽しんでほしい。パパはそう思っていたの」
泣きながらフラワーロードを歩いたって、綺麗なお花は見えないよ。
「どうだった?あのお花畑を見た感想は」
「すごい……綺麗だった」
紛れも無く星桜の心に残る誕生日プレゼントになった。パパからのメッセージも一緒に。
だけどそれはこれで終わりではなかった。
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