第3章   夢と写真 2つ目の宝石

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おばあちゃんはその手紙を暫く見つめた後、口を開いた。 「なるほどねぇ。……でもこれは違うんじゃないかい?」 「どういうことですか?おばあちゃん」 すかさずママは聞いた。 「幸翔(ゆきと)はそんな無駄になるようなことはしないと思うんだぁ。朱璃(あかり)さんは何か気づかないかい?」 ママはおばあちゃんの言っている意味がよく分からなかった。 「夢に出てくるのを手紙で教えなくてもいいでしょぉ」 そう言われ、ママはようやく気づいた。 「確かに。私は夢で見たものを追っている。そうなると、手紙の意味が無くなっちゃうね」 星桜の発言に、そうだよぉ、とおばあちゃんが続く。 「おばあちゃんはこの手紙について何か分かりますか?」 ママがそう聞いたが、おばあちゃんは何も分からなかった。 そして少しの沈黙が続いた後、星桜とママが聴きづらかったことを先におばあちゃんが言ってくれた。 「幸翔……パパの部屋も見てみるかい?」
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