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パパの部屋は玄関から入って1番奥にある。廊下の突き当りを左に曲がったところだ。
ママは久しぶりだが、星桜は初めて入る。
「し、失礼しまーす」
星桜がそっとドアを開け、部屋の中を見たママが驚いた。
「もしかして、あの日のままですか?」
「もちろんさぁ。何か動かすのも気が進まなくてねぇ」
どうやらパパが入院してから、誰も部屋のものを動かしていないらしかった。
「何か……意外」
星桜がムスッとするのも当たり前だった。
家ではだらしないパパなのに、この部屋は綺麗に整頓されていたからだ。
「星桜ちゃんの家では、パパはママに甘えてたでしょぉ。パパもまだまだ子供だったからねぇ」
パパなのに子供。星桜にはそれがおかしかった。
星桜はパパの部屋を見渡した。そして、あるものに目が止まる。
それはテーブルの上に置かれていた写真立てだった。
3人が笑顔でピースしている写真。星桜を真ん中に、左にママ、右にパパだ。
「その写真はねぇ、パパが1番大事にしていた写真だよぉ」
星桜の3歳の七五三の時に撮った写真だ。
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