第3章   夢と写真 2つ目の宝石

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そしておばあちゃんがにこにこしながらその写真を手にとる。 「この写真を見ると……思い出すねぇ」 ピンク色の可愛い着物を着た星桜に、パパはメロメロだった。 そしてこれだけでも満足だったパパにこの後、予想外な出来事が起きた。 この日初めて、星桜がパパに『大好き』と言ったんだ。 この話しをおばあちゃんは何度も何度も聞かされた。この時のパパはすごくはしゃいでいたと言う。 「あんなに嬉しそうな幸翔を見るのは初めてでねぇ。」 写真に向かって、独り言のように喋り出す。 「幸翔は朱璃さんと星桜ちゃんのことが大好きで、大切に思っていたんだぁ。だからあの時も、2人と幸翔を離さないでって……お星様にお願いしてたんだよぉ」 星桜はおばあちゃんの話しに引っかかるものがあった。 「お星様は……願いを叶えてくれる……」 おばあちゃんはそう、ボソッと言った星桜の方に視線を向ける。
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