第3章   夢と写真 2つ目の宝石

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「星桜ちゃんそれ、知っているのかい?」 星桜はあの日、パパとママと3人で星を見た時にパパがしてくれた話しをおばあちゃんに話した。 だが星桜はおかしなことに気づき、首を傾げる。 「それはおばあちゃんがとっさについた嘘の話しだねぇ」 大人は子供が悪い方向にいかないように嘘をつく。悪い嘘ではなく良い嘘だ。 例えば、夜に口笛を吹くと蛇が出る。このように言い換えられているものが多い。 本当の意味は、夜に口笛を吹くと霊がでると言われている。 おばあちゃんがついた嘘もこれと同じようなものだった。 パパも当時、良い点を取りたいためにお星様にお願いをした。 これによって不安は安心に変わる。そしておばあちゃんはパパに勉強をさせたのだ。 要は気持ちの問題だ。勉強にとって不安は邪魔者でしかないんだ。 「子供じゃなくても願いは叶えてくれるんですか?お星様は……本当に神様なんですか?」 何が本当なのか分からなくなっていた。 「お星様は神様なんかじゃないよぉ。お星様は……お星様だぁ。それにねぇ、子供じゃなくても願いを叶えてくれるんだよぉ」 「でも私もあの時……お星様にお願いしたんです。パパを元気にしてって。だけど叶わなかった……」 あれから星桜は自分で答えを出した。いくらお星様といっても……癌は治せないんだって。 「願いが叶わない理由は多分、1つはおばあちゃんと同じ、もう1つは真逆って感じかねぇ」 叶わない理由が2つ?……星桜には意味が分からなかった。
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