第3章   夢と写真 2つ目の宝石

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  9 ママが落ち着きを取り戻した後、改めてパパの部屋を調べたが結局何も分からなかった。 そして、部屋を出ようとした時だった。 「ん?……なんかあれ、不思議な感じ……」 そう言って、星桜は本棚の中に置かれているぬいぐるみを指差した。 さっきまでなんとも思っていなかったそのぬいぐるみは、星桜に何かを訴えている――そんな感じがした。 「もしかしてあのぬいぐるみ、夢に出てきたの?」 「分からない……。だけど……。ううん、やっぱり気のせいだと思う」 星桜達3人はパパの部屋を後にし、廊下を進む。 T字路になっているこの廊下は、真っ直ぐ行くと右側に居間、左側に台所がある。 T字路を左に曲がり廊下を進むと左側に土間があり、突き当りにお風呂場だ。 土間にあるドアは、広い庭に繋がっている。 そして星桜の考えはもう決まっていた。それを察してか、ママが先導を切って土間へと向かう。 「ふふふっ、順番に探せばいいんでしょ?」 手がかりがないんだから、そうするしかなかった。 星桜達はそのまま土間へ行き、ドアを開けた。 微かだけど覚えている。おばあちゃんが愛情を込めて作った花壇の側で、一緒にお手玉をやっていた。 教えてもらっても星桜には難しく、2つがやっとだった。 星桜は大きく深呼吸をし、花の香りを吸い込む。 「懐かしい香り。いい匂い」 おばあちゃんと遊んでいた時、無意識に嗅いでいた花の香り。 そして星桜は思い出す。
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