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ママが落ち着きを取り戻した後、改めてパパの部屋を調べたが結局何も分からなかった。
そして、部屋を出ようとした時だった。
「ん?……なんかあれ、不思議な感じ……」
そう言って、星桜は本棚の中に置かれているぬいぐるみを指差した。
さっきまでなんとも思っていなかったそのぬいぐるみは、星桜に何かを訴えている――そんな感じがした。
「もしかしてあのぬいぐるみ、夢に出てきたの?」
「分からない……。だけど……。ううん、やっぱり気のせいだと思う」
星桜達3人はパパの部屋を後にし、廊下を進む。
T字路になっているこの廊下は、真っ直ぐ行くと右側に居間、左側に台所がある。
T字路を左に曲がり廊下を進むと左側に土間があり、突き当りにお風呂場だ。
土間にあるドアは、広い庭に繋がっている。
そして星桜の考えはもう決まっていた。それを察してか、ママが先導を切って土間へと向かう。
「ふふふっ、順番に探せばいいんでしょ?」
手がかりがないんだから、そうするしかなかった。
星桜達はそのまま土間へ行き、ドアを開けた。
微かだけど覚えている。おばあちゃんが愛情を込めて作った花壇の側で、一緒にお手玉をやっていた。
教えてもらっても星桜には難しく、2つがやっとだった。
星桜は大きく深呼吸をし、花の香りを吸い込む。
「懐かしい香り。いい匂い」
おばあちゃんと遊んでいた時、無意識に嗅いでいた花の香り。
そして星桜は思い出す。
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