第3章   夢と写真 2つ目の宝石

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――(見えるかい?ここはパパが好きな場所の1つだ。まぁおふくろが作った花壇なんだけどね。ははは) (私も今、そこにいるよ) ――(パパは男だっていうのに、おふくろは『*』を作ってくれたんだ。最初はそれを好きになれなくて、投げちゃったんだよ) (駄目だよ、そんなことしちゃ) ――(だけどね、その度におふくろが取りに行ってくれたんだ。そして気づいたら『*』は泥だらけになっていた) (おばあちゃん、悲しむよ) ――(投げた『*』が花壇の中に入った時は、さすがに怒られたな。でもそれから、なんてことをしてしまったんだって気づいたんだ) (怒られてから気づくことって、あるよね) ――(そしておふくろに謝ったんだ。『*』を投げてごめんなさい、泥だらけにしてごめんなさいって。そしたら次の日、綺麗になって戻ってきたんだ) (良かったね、パパ) ――(それからこれはもうパパの宝物だ。だから星桜、鍵はここに隠しておくよ。『くまのぬいぐるみ』の中に) (ちゃんと見つけたよ、パパの宝物)
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