第3章   夢と写真 2つ目の宝石

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「おばあちゃん。ぬいぐるみのお腹の横の糸、切ってもいいですか? 」 返事は即答だった。 パパが宝物を傷つけてでも、星桜に渡したかったもの。それがどういうことか、おばあちゃんはよく分かっている。 親から子へ、それは愛情と同じくらい大切なものだった。 星桜はパパの机の上に置いてあるペン立てからハサミを取り出し、荒く縫い付けられている糸を切る。 そしてふわふわの綿をかき分けながら探すと、確かにそれはあった。 あの日、手紙と一緒に入っていた黄色い宝石。全くと言っていいほど同じものだった。 「あれ? まだ何かある……」 星桜はぬいぐるみの中から1枚の小さな紙を取り出した。 「何? それ」 「何か……書いてある」 【。2つで1つ】 紙にはそう、書かれていた。 「それってやっぱり、あれ……よね? 」 ママが言うあれとは、パパからの手紙に書かれていた意味不明な言葉のことだ。 【その日の終り、暗闇の中、示す先へ】 ママのサプライズでもない、夢のことでもない、解決していないのにまた新しい言葉が出てきた。 「でもあの手紙のことから考えると、少なくともこの言葉の前に他の言葉があるってことだよね」 これに関しては、子供の星桜の方が頭の回転が速かった。 言葉の頭に付いている不自然な句点(。)、言葉と言葉を区切るためのものだと星桜は考えた。
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