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『なんでよ……』
星桜が起きてすぐ、思ったことだ。
台所ではママが朝ごはんの支度をしていた。言うまでもない、いつものこと。
今日は月曜日、ママには仕事がある。
鼻歌交じりのママはとてもごきげんだった。
星桜の夢に出てくるパパは今度は何を伝えるのか、直接ではないけれど聞けることが楽しみでいた。
2階から聞こえるバタバタという音で、星桜が起きたことに気づく。
ゆっくりと階段を降りてくる音で、昨晩は熟睡出来たんじゃないかと分かる。
そして、眠たそうな星桜の声。
「ママ、おはよー」
台所にいたママはリビングに顔を出し、星桜に挨拶を返す。
「おはよー星桜。……ってどうしたの?」
ママが見た星桜の顔はとても不機嫌そうだった。
「夢……見れなかった」
星桜の夢にパパが出てこなかった、ではなく夢を見ていないのだ。
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