第4章   星と謎 古びた館

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  12 「これがその館みたいね」 館は星桜の想像を超えるほどに古びていた。 2階建ての木造の壁にはツルが巻き付いおり、傷んだ壁も見て分かる。古びた館というより不気味な館だ。 やっぱり明るいうちに来れば良かったと後悔する。徐々に暗くなる空を見て、より一層帰りたいという気持ちも強くなった。 「とりあえず、ちょっとだけ入ってみる?」 ママに言われ、星桜が嫌々館の鍵を取り出す。そして鍵穴に鍵を差し込もうとした時だった。 「ん?……あれ?」 「どうしたの?」 「鍵が合わないみたい……」 宅配便で届いた鍵と地図。地図がこの館を示しているのなら、鍵はこの館のに間違いないはず。それなら答えは1つだ。 「裏口の鍵かもしれないわね」 星桜の表情がみるみるうちに不機嫌になっていく。 裏口ということはこの館の奥に行くということ。 ちょっとだけのはずが、後戻りできないところまで行ってしまいそうな……そんな気がする。 「ママは怖くないの?」 怖がる星桜とは反対に、平気そうなママに聞く。 「星桜がいるから大丈夫よ」 そう言われ、 「そうだよね。1人じゃないもんね」 と、ママと一緒に館の裏口に行くことにした。
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