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館を反時計回りで裏口を目指す。
この広い中庭には植物も植えられていて、年に数回庭師が来るらしい。
先に説明したとおり、『館には』出入りがないということだ。
館に沿って歩いていると、本館と別館を繋ぐ渡り廊下が見えてくる。
星桜とママはそのまま別館北の裏を周り、裏口を探す。
そして別館北の西側に来たところで扉を見つけた。
「あそこが裏口かな?」
怖がっていたはずの星桜は、扉を見つけると早歩きでそこに向かう。
「待ってよ、星桜」
ママも急いで星桜を追った。
扉の前に着くと、星桜は鍵を取り出し鍵穴に挿す。その鍵は何にも引っかかることなく、するりと回すことが出来た。
「鍵……開いた」
その瞬間、星桜は不思議な感覚に包まれる。
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