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とりあえず、端から順番に部屋を見ていくしか無い。
2人は巳の座の向かいにある、亥の座に向かう。
「亥の座……は何があるんだろう」
ランタンを持っている星桜が先に部屋に入る。
照らされた亥の座はL字型の部屋になっていた。物が多い部屋だが、置いてあるダンボールを見るとここがどういう部屋なのかが分かる。
入浴剤やシャンプー類、掃除道具など巳の座で使われている物が保管されていた。
2人は入り口から右へ右へと進み、部屋の奥まで行く。
奥の壁にはカレンダーが画鋲(がびょう)で止められていて、日にちのところにメモが書かれている。
ここからいつ、何を、どれくらい持って行ったかのメモだ。
よれよれのそのカレンダーは4年前の12月のままだった。
星桜は自分が持っているランタンを、ママが持っている懐中電灯と交換してもらう。
懐中電灯の方が1点を集中して照らせるため、暗闇の中の捜し物には便利だ。
星桜はそれで辺りを丁寧に照らす。
今の星桜の目はどんなに小さなものでも見逃さない、鋭い目となっていた。
ランタンを持ったママは、棚の高いところを探す。
位置的に、ランタンを置くよりママが持って立っていたほうが明るい。
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