第4章   星と謎 古びた館

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とりあえず、端から順番に部屋を見ていくしか無い。 2人は巳の座の向かいにある、亥の座に向かう。 「亥の座……は何があるんだろう」 ランタンを持っている星桜が先に部屋に入る。 照らされた亥の座はL字型の部屋になっていた。物が多い部屋だが、置いてあるダンボールを見るとここがどういう部屋なのかが分かる。 入浴剤やシャンプー類、掃除道具など巳の座で使われている物が保管されていた。 2人は入り口から右へ右へと進み、部屋の奥まで行く。 奥の壁にはカレンダーが画鋲(がびょう)で止められていて、日にちのところにメモが書かれている。 ここからいつ、何を、どれくらい持って行ったかのメモだ。 よれよれのそのカレンダーは4年前の12月のままだった。 星桜は自分が持っているランタンを、ママが持っている懐中電灯と交換してもらう。 懐中電灯の方が1点を集中して照らせるため、暗闇の中の捜し物には便利だ。 星桜はそれで辺りを丁寧に照らす。 今の星桜の目はどんなに小さなものでも見逃さない、鋭い目となっていた。 ランタンを持ったママは、棚の高いところを探す。 位置的に、ランタンを置くよりママが持って立っていたほうが明るい。
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