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「ママ。……これ見て」
星桜が何かを見つけ、ママを呼ぶ。
「どうしたの?」
ママは棚の上にランタンを置き、星桜に近づきしゃがんだ。
「ほら、ここ……何か変じゃない?」
ママは星桜が指差す床を見つめる。
最初は何が変なのか分からなかったが、目を細くしてよく見るとおかしなことに気づく。
「それって、このダンボールをズラした跡よね?」
床に積もった埃に段ができていた。ダンボールを左にズラした跡だ。
星桜は懐中電灯をママに預け、そのダンボールを元あった場所までズラす。
「あ、何か書いてある」
ダンボールを右に10㎝ほど動かしたところで床に書かれた文字を見つけた。そしてママが急いで懐中電灯で照らす。
【祖父そ】
床にマジックらしきものでそう、縦に書かれていた。
「祖父そ……って、どういう意味?」
星桜がママの方に振り返り、首を傾げる。
「待って、星桜。続きがあるみたいよ」
埃が舞わないようにそっと動かしていたため、これで全部だと勘違いしていた。
だがダンボールを更に動かすと、3つの言葉が出てきた。
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