第4章   星と謎 古びた館

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ママは、もしかしたら今もこの館の中に誰かいるんじゃないか、と不安になっていた。 そんなママを見て、星桜が頼もしいことを言う。 「少なくとも、ここ最近は出入りされていないと思うよ。それに私たちにはパパがついてるから」 ママも肝心なことを忘れていた。ここはパパが用意した舞台だ。危険なことがあるはずがない。 2人は冷静になり、子の座に変わったものがないか探す。できればあの言葉のヒント。 ママは机を、星桜はタンスの中を探す。 机の上はとても綺麗にされていた。本を数冊立て掛けておける小さな本棚も付いていたが、そこに本はなかった。 そしてその机には引き出しも付いている。メインの大きな引き出しに、下段だけ大きい3段式の引き出しだ。 「ママ!」 勢い良くタンスの引き出しを開けていた星桜がママを呼ぶ。 「何か見つけたの?」 ママが星桜のもとへ駆け寄る。星桜がママを呼んだ理由、それはすぐに見て分かった。 タンスの中が……カラだった。
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