第?章 【daydream believer (上)】

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「更にわからないんだけど」 エクートが頭を抱えるが、アトレクスが続けて、 「これって、もしかして童謡ではないですか?」 と、切り出した。 「“探求する賢者、深き神殿の中に立ち入る。彼は理想を求め、国王の献身により、唯一完璧なる至宝を得る。無知なる賢者、成功を得んとして堅実をせず、ただ深き闇の中にわずかな光を探さん”」 「聞いたことのない歌だな」 ゲンが首をかしげ、 「あ、それならボクも聞いたことあるよ!」 と、エクートが飛び上がった。 「ボクは歌に詳しいんだよ。真面目にやらないと穴に落ちて大変な目に遭うから、勉強は真面目にやりなさいって歌だったと思うな!」 「そうでしたっけ…?」 「ああ、でもその歌が元になってるなら、確かに辻褄が合うな」 俺はアトレクスが書き留めていた数字を指で順番に追った。 「ええと、最初は“理想”と“献身”だから、①から通って④に出る。次は、“唯一”と“完璧”だから、⑦から通って⑨に出るわけか。そんで、最後は“成功“と”堅実”だから、⑤から入って⑧に出る、と」
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