episode173 地下牢の2人の悪魔

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「君のような?」 神父はわざとらしく難しい顔をして 口端を上げた。 「ええ、僕のような人間には――」 年寄りの手が 僕の黒髪を梳く。 「だからあの方が来る」 優しさと下心が入り混じる まるで求愛のような手つきで。 「唇が乾いておる。蜂蜜でも塗っておきなさい」 深く皺の刻まれた手は 次に僕の唇を物欲しげになぞると――。 「連れて行け。地下室に戻しておくんだ」 吐き捨てるように 世話役の男たちに命じた。
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