episode173 地下牢の2人の悪魔

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先刻まで形のあったもの。 微かなバラの香を放ちながら すぐに惨めな灰になった。 僕の目の前で――。 最後まで焼けずに残った文字は 『君は自由に――』だった。 僕が拾い上げようとした その言葉を。 一寸先に 磨き上げられた革靴が踏み躙った。 「さあ、はじめようか――和樹」 皮肉にも すべての自由が奪われる瞬間だった。
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