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いつしか秋谷の畑仕事を手伝うようになる庄三郎。庄三郎の汚れた足を山からの水で拭ってくれる薫に、成り行きで求婚する庄三郎。薫は思わず赤面して立ち去ってしまうが、翌朝、庄三郎の膳にだけ、その朝生んだ鶏の卵が乗っていた(この場面、庄三郎と薫のロマンスに気づきながら、気づかぬふりをしている役所さんの演技が可笑しいが、秀逸)。
江戸に出ていた信吾が帰郷。秋谷の無実を証明すべく協力してくれるという。この信吾役の青木崇高さんの明快な好青年ぶりが印象的。
村人と郡奉行、矢野氏との寄り合い。過去の前例を挙げて、矢野氏に釘を刺す秋谷。百姓一揆を企む首謀者が秋谷ではないのかと勘繰る矢野氏だが、この郡奉行、夕闇にまぎれて農民たちの鎖鎌により暗殺される。
藺草を編む作業。原田美枝子さん、堀北真希さんは、実際かなりこの編み方を仕込まれた様子がうかがえます。
中根氏の部下の暴走。農民への圧政のメカニズムは彼らによって成り立っているのが明らか。源吉に知らせに行く郁太郎。ほとぼりが冷めるまで姿をくらましていた方がいいということになり、出奔する万治。見送る源吉のうしろ姿に哀しみがにじみ出ている。
お役人に捕らえられて行く源吉。その先に待っているのは拷問死だというのに、妹に微笑みかけて去ってゆく。
変わり果てたなきがらとなって帰って来た源吉。この場面、涙しているのは彼の母親だけという抑えに抑えた演出がとても印象的。「武士も及ばぬ覚悟」と秋谷は源吉を褒めたたえる。彼はたった一人で村を守ったのだ。
源吉の無念を晴らすべく城へ向かう郁太郎とそれを追ってゆく庄三郎。助太刀はしないが道案内をしようというのです。義を見てせざるは勇無きなり。
家老への直訴と座敷に上がって中根氏に居合いの鉄槌を浴びせる郁太郎。
足袋のほころびを繕いながら庄三郎と秋谷の倅(せがれ)、郁太郎の助命をなんとかせねばと思い悩む中根氏に、「では私が行きましょう」と言う信吾。「ケチもほどほどに。巷で評判になっておりますよ」という信吾の忠告に、「望むところだよ」と呟く中根氏。このエピソードに彼の真の人間性が浮き彫りになっている。策略家だが、根っから底からの大悪人、というわけではないのだ。信吾は親友庄三郎を助けるべく秋谷の許へひたすら馬を駆る。
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