第四章 倉庫

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   埠頭近くの倉庫は今日も人気がなかった。この辺りの倉庫街は普段は使われていないようだから、当然といえば当然だが。  開かれた扉から、月光が加奈の影を長く、倉庫の床に伸ばしていた。  あの日、袴田眞人が倒れていた場所には、もう、白いチョークのあとも、血の跡もない。加奈はひとつ息を吐き、近くでそれを見下ろした。 「至近距離から一発―」  ふいに響いた声に、加奈は振り返る。 「誤射というには、ちょっと苦しかったかな」  竹内が立っていた。
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