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「だって、別に袴田はその組織に殺されたわけじゃないんだろう?」
窺うように内藤は言った。
そうだけど、という加奈は相変わらず歯切れが悪い。
「だったら、別にそんなとことは関わりを持ちたくない。
お前の身に被害が及ばないのが第一だ」
それから、と妙に据わった目で内藤は加奈を見据えた。
「なんだか今日は勝手に袴田家に入ったようだが、もうそんなことはしないように。
お前が情報を持ち出したと疑われると困る」
はーい、と加奈は小さく頷く。
「明日もお前は行かない方がいいだろう。
警察の連中に会いたくないだろうし。
志免でも連れてくよ。
マイナの件に関しては、こっちはただ働きなんだ。
いいだろう?」
志免の意見も聞かずに内藤はそう決めた。
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