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 美味しそうに食べるたけさんの横顔を見て僕も唾を飲み込んだ。 「何も危険なことはありません。これは、あなたたちの大切な思い出を蘇らせるための食べ物です。さあさ、召し上がってください」  その白い人の言葉にサックはスープを掬って口に入れた。それを見て、オカピ、もんちゃん、イソップが次々にパンや飲み物に手をつける。 「これだけ待って何もないんだから大丈夫だろう」  そう言って、てっちんまでもが食事をし始める。  僕は後ろに背を反らして一番端に座っていたハリーと目を合わせた。  彼が小さく頷くのを見て、僕もスープに手を伸ばした。  皿の表面まで溢れんばかりに並々と入った白い液体を掬って口に含ませる。
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