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 向かい側にいるもんちゃんの隣を通り過ぎ、さらに奥に進んで僕はゆっくりと足を止めた。  少しくすんだ青色と水色の間の色をした生地に青い格子模様の入った着物の背中。  彼はテーブルに向かって何かを懸命に書いているようだった。 「あ……」  感動の対面とはいかなかった。  それが本人に間違いないという確信があればあるほど、恐れ多く感じて何の言葉も発せない。
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