第1章

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 見事な五月晴れ。絶好の運動会日和だ。  でも、こんな清々しい空模様とは裏腹に、私の心には暗雲がたちこめる。その原因は、あいつだ。  彼の名前は遠藤総一郎。私が勤める小学校にこの春赴任してきた。  大学時代に同じサークルに在籍していた縁もあり、すぐに打ち解け、付き合うことになった。今では同棲もしている。  その彼がどうやら浮気をしているらしい。私の友人が目撃したそうだ。付き合い始めてまだ半年だというのに。  問いただしてやろうかと思ったけど、こちらには目撃証言があるだけ。きっと彼はしらばっくれるだけだろう。  だからと言って黙って見過ごすわけにもいかない。やはり決定的な証拠を手に入れなければ。  
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