甘いのくださいっ!坂下&香澄編

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俊也さんをなだめ何とか出掛ける準備をする。 なんてったって、今日が二人にとって初めてのお出かけだもん。 「よし、行こうか」 玄関先でスッと左手を私に差し出す俊也さん。 左利きの私はそっと右手を彼に預ける。 こういうちょっとした事も嬉しく思える。 「先ずは飯だな。腹減ったよぉ。」 「そうですよ、ここの家には食材ってものが全くないんだもん。立派なキッチンがあるというのに。」 「じゃぁ、次は香澄の手料理楽しみにしてる。」 そう言いながら、私の耳元に軽く口付けてからエレベーターに乗り込む。 ヤバい… こういうちょっとした行為もヤバいけれど…それよりももっとヤバい事… ど、どぉしよぉ。 私、料理ってほんっと苦手なんだよねぇ…… この情報はまだ彼は知らない。 俊也さんが知ってしまう前に秘密の特訓だな。 AROUND THE WORLD これから二人で色んな世界へ飛び出そう。 色んな経験して笑ったり時には泣いたり… だけど帰る場所は必ず同じ。 いつだってあなたの隣に…。 エレベーターが一階に着いて外に出ると眩しい光が差し込んできた。 さぁ、二人の恋は始まったばかり。 私達は眩しい光に包まれながら最初の一歩を踏み出した。 甘いのくださいっ!坂下&香澄編 【AROUND THE WORLD 二人の恋は始まったばかり】 終
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