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「マスター、お代わり頂戴!」
「香澄ちゃん、大丈夫?」
「ええ、まだまだいけます。」
「オッケイ、直ぐお代わり用意するよ。同じもので良いかな?ジンライムで。」
「あっ、はい、お願いします。」
はぁ……ここのマスターは本当に大人って感じで素敵よねぇ。
マスターがジンライムを作る動作をカウンター席にてジッと見入る。
何て言うか…
一つ一つの動作に無駄がなくだからといって機械的な感じがするでもなく何とも言えない大人の色香を感じるのよね。
ほんと、このBARに来ると癒やされるわ。
にしても……
「ちょっと、いい加減にしてくださいよ。いつまでメソメソしてるんですか!」
「春川さん、いつまでって…そりゃ、いつまでもだよ。君に分かる?俺の胡桃ちゃんへのこの深い思い……。」
「分かりませんよ。だって胡桃はもう人妻になったんですよ。老舗の和菓子屋の若女将になったんです。坂下さんがこんなにも往生際悪い人だと社内の女子社員が知ったら嫌われますよ。」
「春川さん、止めてくれよぉ。人妻とかそれNGワードだからね。ああ、早く離婚しないかなぁ。」
アホらし……
付き合ってらんないわ。お代わり飲んだら先に帰ろっと。
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