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「AROUND THE WORLD」
「な、なんですか、いきなり。」
坂下さんは起き上がると私の隣に座り直した。
「昨夜、あいつの店で飲んだでしょ?AROUND THE WORLD、カクテルだよ。」
前に飲んだ時、気に入って昨夜は私からお願いして作って貰ったんだった。
「世界は広い。これからは二人で色んなところへ出掛けて見たり聞いたりして感じたことを二人で分かち合っていこうよ。そして俺の事ももっともっと知っ欲しいし、香澄のことも知りたいんだ……。」
「坂下さん……。」
そう言えばここのコンシェルジュも言ってたっけ?
坂下さんに昔、言われたって……
世界は広いって。
「それから名前。俺だって最初は照れたけど香澄…って呼んでんだし香澄も俺の事ちゃんと名前で呼べよ。」
「えっ、坂下さんも照れることあるんですか?」
「ったりまえじゃん……………照れるよ。」
と、目を逸らす坂下さんがたまらなくカワイイ。
そっか……そうだよね。
私達は始まったばかりだもん。
まだまだ坂下さんの知らないところありそうだな。
名前呼ぶ事に照れてるなんて知らなかった。もっともっと坂下さんの事を知りたい。
素直にそう思う。
「俊也さん……が好き…。」
と、ほっぺに私からキスをした。
「わっ、ま、まじ、嬉しすぎる…それヤバっ……」
片手で顔を覆う坂下さん…じゃなくて俊也さん。
「今日は二人で映画でも……って思ってたけど……もう少し香澄とこうしてたい…」
ソファに押し倒されそうになるのを何とか制する。
「それとこれとは別っ!」
「ええーーーーっ、そりゃないよ。」
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