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「3か月。俺の契約は3か月で切れる。
君とたとえ寝ても。君をステージに押すことはしない」
「...でも。いいの」
案外しぶとく食い下がる。俺の言葉が優しすぎるんだろうか?
それとも、真面目に告られてるとか?
彼女の肩を両手でつかんで、上半身を引き寄せる。
真剣な表情を張り付かせると、
びくっと怯えたように大きな瞳を揺らした。
深刻な表情は有効に、このセリフの効果を引き上げる。
「俺、バイだけど、いい?」
彼女は静かに床に落ちていたカーデガンを拾うと、
悔しそうに俺を睨んで、稽古場を出て行った。
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