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「加藤さん、これからよろしく」
差し出した手を、彼女はみつめる。
触れることさえ嫌なのか?
あの一件で、そこまで俺は嫌われたのか?
ジョークだったと今更言うこともできず、手を引っ込めるタイミングさえ消し去ってしまった。
彼女の冷たい視線が、俺へと向く。
「それと、ショースペースでは、握手のあとに、ハグも耳を齧ることもする習慣も、在りません」
先程の山崎への戯れが、すでに彼女の耳に入っていたとは。
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