-2-

4/5
前へ
/40ページ
次へ
「加藤さん、これからよろしく」 差し出した手を、彼女はみつめる。 触れることさえ嫌なのか? あの一件で、そこまで俺は嫌われたのか? ジョークだったと今更言うこともできず、手を引っ込めるタイミングさえ消し去ってしまった。 彼女の冷たい視線が、俺へと向く。 「それと、ショースペースでは、握手のあとに、ハグも耳を齧ることもする習慣も、在りません」 先程の山崎への戯れが、すでに彼女の耳に入っていたとは。
/40ページ

最初のコメントを投稿しよう!

168人が本棚に入れています
本棚に追加