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SS本部から、俺にわずかばかりの予算と、スタッフを与えてくれた。
山崎の前で宣言した通りに、今までにないものを作らなければならない。
しかし、新しいショーに専念できるかと思いきや、
それ以外にも、ショースタッフのような仕事も引き受けなければならなかった。
時差ぼけも治らぬまま、大阪、名古屋、九州に四国と日本中を飛び回らなくてはならなくなり、未だに東京に構えた自宅に帰れていない。
地方遠征の傍らに、赤坂のショースペースの実務をこなすというのは、なかなかハードなスケジュールだ。
日本人は勤勉なる民族。
エコノミックアニマルだとは、よくいった皮肉文句だ。
だが実際は、その枕詞通りである。
今までの俺の生活は、惰性にまみれていたと思えるほどに、ショースペースの人間は、蟻のように、よく働く。
おかげで、日本に来てから、ゆっくりと酒を飲む時間も、女と遊ぶ時間も持ち合わせてはいなかった。
ダンサーの状態を見るために、深夜遅くまで、一緒にいることが増えた日、
面倒を見ているダンサーの一人と、二人きりなった途端に、突然、唇に触れられた。
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