初めてのキスは、涙の味がした。

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「や、ややや、やっ、っや、やったあ!!」 「や? ヤッターマンがどうかしましたか?」 「まさか、実写映画化するとは思わなかったよね」 「三池監督って、ほんと仕事選ばないですよねぇ」 「クローズ撮った直後にヤッターマンって、ありえないよねぇ……って、違う。そんな話じゃない」 「じゃあ……ヤットデタマン?」 「君も大概マニアックだよね。いや、だからそんな話じゃなくて、めーちゃんだよ! めーちゃんをデートに誘ったら、OKしてくれたんだよっ!」 「ええええええええええ!!?? うそ、信じらんない!!?」 「ちょっと……誘えって言ったの、君でしょ?」 「正直、当たって砕けろ的な意味でした」 「おおいッ!?」 「いや、でも良かったじゃないですか。これは凄いチャンスですよっ!」 「うん、でも……デートって初めてで、何をどうすればいいのか……」 「仕方ないですねぇ。じゃあ、特別に私が練習相手になってあげますよ」 「え、れ、練習って、もしかして?」 「私と、デートするんです」 「え、えぇぇ!?」 「……もしかして、イヤ、ですか?」 「あ、いやそうじゃなくて、君みたいな可愛い子とデートとか、全然その嬉しくて、あ、いやその」 「か、可愛い!?」 「だ、だだだ、だけど、もしめーちゃんに君と一緒にいるところ見られたら、二股とか思われちゃうんじゃないか、な~……なんて」 「あぁ、そんなどうでもいい心配してたんですか」 「どーでもいい?」 「大丈夫、そのくらいでどうにかなるほど、向こうはあなたのこと高く評価してませんよ」 「ちょっと!?」 「それにいざとなれば妹とでも適当なこと言っときゃいいんですよ」 「乱暴だなぁ……、でも、君とデートか。なんか楽しみだな」 「い、言っときますけど、あくまで練習ですからね、練習!」 「あ、それもしかして、ツンデレ?」 「……ツンの裏にデレがあると本気で思ってる人って、死ねばいいと思うんです」
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