第10章

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「それじゃ、九条さんに伝えて――」 覚悟を決めたように そう言った。 神妙な面持ち。 唇の赤さと、髪と瞳の黒さが際立って 人形のような肌をいっそう青白く見せる。 「あ、その前に――」 見た目だけでも 十分アンニュイな風貌なのに。 「あの人は僕をお待ち?」 なんとも浮遊感の漂う声音で 和樹は尋ねてくる。
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