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日付を超えたころ。
二次会のカラオケもお開きにして、会計を済ませた。
女子の為にタクシーを呼んで、それが来るまで外で散り散りに待っていた。
「おい、井手は?」
橘が外に井手の姿がないので周りの奴に聞いていた。
「さぁ…まだトイレにでも籠ってんじゃね?」
「それかアイツ自転車で来てたから取りにでも行ってんじゃねぇの?」
「そうか……。大丈夫かなあいつ……。悪いな亜樹。もうちょっと待っててくれ」
ホントに橘は責任感が強くて幹事を任されるのも納得だな。
「俺は全然構わねぇよ」
「ちょっとー橘ぁ~、なんでアナコンダが今回も参加してんのよ~」
同級生の女子の二人が俺と橘の方に近づいてきた。
「もうアイツ呼ばないでって言ったジャン」
どうやら女子にも新庄は好かれてないらしい。
ってあのあからさまな男目当てな態度だとそりゃ先輩のオネェ様方は気に入らねぇか。
「いや……ホントは呼ぶつもりなかったんだけど、なんでかあいつ知っててさ」
「LINEのグループからの外されたのになんであいつが知ってんのよ」
俺はこの話に関わらない様にし――――。
「―――多分だけど……ほら、今回は産休中の伊織ちゃんの出産祝いを兼ねて飲み会企画したジャン?あいつ伊織ちゃんの親戚だから、そっから漏れたんじゃねぇかな……」
「え?伊織ちゃんって部活の顧問の馬場先生のことか?」
俺は初耳な情報に思わず会話に加わってしまった。
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