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カラオケ店のビルに背中がつくまで飛びのいても、それでもまだ下がろうと足は地面を無様に蹴る。
蹴って蹴って蹴って。
この場を立ち去りたいのに。
背後の建物がそれを邪魔をする。
走って逃げると言う行動さえ思いつかないほど混乱していた。
「おい、亜樹!どうした……」
俺の声を聞いて駆け付けた橘も、事態を把握して足を止めた。
「し……新庄!?」
そう。
その絞殺死体は後輩の新庄のものだった。
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