第1章

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高村くんと楽しく過ごした後は別れが待っている。 離れるのが寂しくて、それは彼も同じようでくっついたままなかなか帰ることが出来なかった。 意を決して高村くんに向こうを見てもらって緑のジャージをはきかえ畳んで紙袋に納めるて彼に差し出すと、クローゼットに仕舞ってくれた。 玄関でもう一度キスして、抱き締められて体か離れたとき 「夕貴にこれをあげる。 俺はいないけど、平日も来ていいよ。」 掌に載せられたのは白クマのキーホルダーのついた鍵。 「うん、だけどたぶん使わない。高村くんがいないと寂しいから…。」 「一応持ってて。土曜日、俺より先に夕貴が来るかもしれないし…。」 「ありがと。また来週…楽しみにしてる。」 「メール送るから…。」 「待ってる。」 もう一度触れるだけのキスを交わして後ろ髪を引かれながらドアを出た。
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